買い物をした場合などに誰しも日常的に当たり前のように払っている消費税、これを誰がどうやって納付しているのか、あまり気にされていないのではないでしょうか?

消費税は事業者(物を売る者あるいはサービスを提供する者)が消費者から預かって国(税務署)に納付します。

しかし、全ての事業者に納税義務があるわけではありません。その事業者の前々事業年度(個人事業主は前々年)の売上高が1000万円を超えると納税義務が発生します

例えば消費税の納税義務がない(免税事業者といいます)個人事業主Aさんの売上が2019年まで1,000万円に届かなかったけれど2020年は売上が増えて1200万円となった場合、2021年までは消費税の納税義務はありませんが、2022年は所得税の確定申告だけではなく消費税の確定申告もしなければなりません。そしてほとんどの場合消費税も納付する必要があります。

個人事業主の場合は、これを回避するために「法人成り」(法人を設立して事業を個人から会社に引き継ぐ)をするという方法があります。Aさんの例で言うと、2021年にB株式会社を設立して事業を引き継いだ場合、消費税の納税義務の判定はAさんとB社は別々に判定するので、B社は2022年度に前々年度が「ない」ということになり、Aさんのままでは消費税の納税義務があったのに、B社では「消費税納税義務なし」ということが可能になります。もっとも、B社を設立するとき、資本金を1千万円以上にしてしまうと消費税納税義務は免除されません。また、B社の2021年度の最初の6ヶ月の売上と給与(役員報酬も含みます)の金額が1千万を超えていた場合も消費税納税義務は免除されません。

法人税(個人事業主の場合所得税)は事業が赤字の場合基本的に納付することはないのですが、消費税は赤字であっても納税義務があれば納付しなければならないことが多く、負担に感じられる方が多いと思います。無理なく少しでも負担を少なくする方法を検討したいものですね。